中学受験 算数・理科の勉強法 動画解説

中学受験の算数と理科の苦手意識をなくすためのブログ 動画解説

 みなさん、お疲れ様です。わたしは昨日、拙著の読者の方にお招きいただき、お話をしてきました。今までご相談いただいた方々にはメールでのみやりとりをしていましたが、メールだけでは伝えきれないことがあると、十分なご返事ができないでいました。



 そこで、実際にお子さんと話してみようと思い、ご家庭に伺わせていただいたのです。



 そのお子さんは小6、塾に頼らず中学受験です。このころ急に問題が解けなくなった、徐々に自信を無くしつつある、というケースです。また、お子さんは分からないことがあると「全部わからない」と言い、親を悩ませていたそうです。



 これは、基礎事項を十分理解せず、自信も持てないまま進んできたことが原因でした。そこで、まともに習っていなかった「割合」を5���10分くらい丁寧に説明した後、自力で解けるようにサポートしました。



 小学生くらいまでは、どの子も能力は大して変わりません。その子の到達度に合わせて、その子が理解できるように教えれば、必ずできるようになります。



 先のご家庭では、「この子は算数に向いていない」という思い込みがあったようでしたが、それを解消できたとすれば、それが大きな収穫です。親が自信を失うとこどもも一気にやる気を失うからです。



 入試まであと3か月です。悔いを残さないように、今をがんばっていきましょう。さて、今回も塾選びの新基準、を続けていきます。



チェック7.必要な情報を獲得する(2)……「やる気」の問題



 「こどもがやる気を出さない」「こどもが自発的に勉強しない」というのは、多くの中学受験生のお母さん、お父さんが実感している問題です。



     この問題を塾の先生にぶつけると、「学校を見学させてください」とか「最低限の学習習慣を身につけさせましょう」とか言われて、かえって混乱をきたす場合もあります。



   しかし、小学生は、中学生や高校生と違って、「試験があるから」「合格しないと自分が困るから」などというような、いわゆる損得勘定で勉強に向かうことはありません。



 「試験があるから」とか「勉強しないと自分が困る」ということは頭ではなんとなくわかってはいます。わかってはいますが、自分の興味や欲求や感情を抑え込んでまで、勉強に没頭することはないんです。



 じゃぁ、やる気を出すまで待つしかないか、と言えばそうではありません。簡単に言うと、「勉強が理解できて面白くなればいい」、たったこれだけのことです。



 ただ、「説明の上手な先生に教わって理解すれば、やる気が出て自発的に勉強するようになるか」といえば、小学生の場合は「ノー」です。



 繰り返しになりますが、中学生や高校生の場合は、「勉強しなきゃ自分は困る」という意識がありますから、見事なテクニックやわかりやすいやり方があれば、「助かった」「それを武器にして頑張ろう」、って次の行動に移すことができます。



 しかし大多数の小学生の場合は、そもそも「勉強しなきゃ自分は困る」とは思っていませんから、わかりやすく教わっても、「これって面白い」と思わない限り、次の行動に移すことが難しいのです。



 チェック5では、「どのように説明・解説をすればこどもが飲み込みやすいか」について考えました。しかし、どんなに良い授業を受けても、その後でこどもが自ら面白さを現実に体験しない限り、やる気が出て自発的に勉強に向かうようにはならないんです。



 つまり、「飲み込みやすいように教わる」だけでなく、「教えてもらったことをこども自身が問題演習・意味理解を通じて、面白いと実感する」ことが大切で、教える側の自己満足で指導を完結してはならないのです。



   そこで、こどもが面白いと実感するような方法は何か、が問題です。その切り口は3つあります。



 1つめは、「自分はやればできる」と知力向上を実感させること。2つめは、「これは使えるぞ」と有効性を実感させること。3つめは、「わくわくしてきた」と楽しさを実感させることです。



 具体的に考えてみましょう。次のリストを見てください。



【こどものやる気がでるリスト】
知力向上を実感有効性を実感楽しさを実感
予 習①問題を解いてくるように指示する →家で解けなくても授業で解けるようになる⑨教材に目を通してくるように指示→予備知識が理解を促進する ⑮計算や漢字練習などの基礎学習を習慣化する
テーマ説明②わかりやすく説明する →自分にもできると思う ③before/afterテストを実施する →進歩を確認できる⑩意義や原理原則を解説する ⑪応用場面を提示する →知識の構造化・抽象化に役立つ(使える知識を獲得する) ⑯意見を発表させる ⑰既知と未知をつなげる
問題演習④難問を解決する →自分の可能性の広がりを実感できる ⑤個別に質疑応答する →自分の考え方を検証・修正・強化する⑫役立つ解法を伝授する →以前より早く解けるようになる ⑱競争させる
家庭学習⑥弱点分野をさかのぼって学習する →苦手意識を克服する⑬学習方法を伝授する →自分なりの学習スタイルを身につける ⑲親子で教え合  う、一緒に問題を解く
塾システム⑦習熟度別クラス編成・進級制度 ⑧成績表・認定証⑭実験・体験学習、見学 ⑳ポイントカード・スタンプカード・ゲーム・合宿




 ①���⑧はこどもに「自分はやればできる」というように、こどもに「知力の向上」を実感させる方法の例です。これらの中で最重要なものは、言うまでもなく「②わかりやすく説明する」です。



 そして、①���⑧の全体を通して重要なことは、必ず成果を客観的に保証すること、そして、こどもの努力を気持ちを込めて積極的に評価すること、です。ここまでやって初めて、こどもは「自分にだってできるんだ」って思えるようになるからです。



     たとえば、少し難しい問題に挑戦させるときは、ちょっとしたアドバイスを与えたりふんだんに考える時間を与えるなどして、陰に陽に支援して、「自力で解けた」という瞬間を体験させる必要があります。



 「今はできなくてもいいよ」と言われて喜ぶのは、さらなる高みを目指して頑張ることをすでにあきらめたこどもだけ、です。そのようなこどもは、できるものだけやる、言われたことだけをやる、このようになるんです。



しかしそうなる前に、こどもが直面する課題に対して、短くて1時間、長くとも2週間以内に解決するように手を差し伸べなければならないのです。



 そしてまた、その成果が微々たるものであっても、最大の賛辞を送り、行動のよかった部分を評価する。結果を変えるためには行動を変えるしか方法はありませんから、行動を支配する「こどもの気持ち」に刺激を与えることが大切です。



     次に⑨���⑭は、こどもたちが「これは使える!」と思うことによって、教わったことの有効性を実感する方法の例です。そして、⑮���⑳は、ここもたちが「楽しい」と思えるような演出方法の例です。



 ここまで、「知力向上を実感」、「有効性を実感」、「楽しさを実感」のそれぞれについて例を出しました。これらの中で一番重要なのは、「知力向上を実感」です。



 「一番重要」という意味は、できるだけ毎日「知力向上を実感」して欲しい、そういう意味です。どんなに分かりやすくて楽しい授業を受けても、自分の成長を実感し続けることができない限りは、こども自身が主人公にはなれないからです。



 □その塾では、テストの解説をしてくれますか。あるいは、テストで間違えたところの質問に応じてくれますか。



 □その塾の先生は面談のとき、こどもの良いところを見つけて、褒めてくれましたか。



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 みなさん、お疲れ様です。先日ある記事に「共稼ぎでの宿題の不安」というものがありました。



 親が共働きだと、こどもの宿題だけでなく、お弁当や送迎、スケジュールの管理に目が回りそうな日が続きます。そんな生活にあって、成績の向上だけが励みになると思い、「シリーズ 塾選びの新基準」を急ぎ書き進めています。



 上に挙げましたサイトでは、経験者の方のアドバイスがのっていますので、ご参考にしていただければと思います。



 さて塾選びの基準も6回目に入りました。引き続いてお付き合いください!



チェック6.必要な情報を獲得する(1)……「わかったつもり」の問題


 先生に教えてもらったら、次は教えてもらったことを自分のものにする段階、つまり「必要な情報を獲得する段階」へ進みます。中心的な作業は、「問題演習」と「意味理解」です。


 
 2番目の「意味理解」というのは、前のノートを参照したり、図鑑や辞書で調べたり、先生に質問をしたりして、あるいは問題演習を通じて、自分なりに一応、理解・納得すること、です。



 問題演習はただの動作であってはなりません。また、問題演習がまる暗記の手段であってもいけません。問題演習を通じて、まず理解を深め(意味理解)、そうして初めて反復に意味がでてきます。



 これらをおおまかな時系列の中に位置付けると、導入解説→問題演習・意味理解→反復・定着、となります。



 そして問題演習・意味理解の段階では、成績アップを妨げる事故が多発します。その事故とは、①「わかったつもり(誤解・不理解)」と、②「やる気の喪失」、です。



 まず「わかったつもり」の問題が起きる原因は、こどもたちの学習に対する考え方にあります。小学生の場合、低学年のときから、賞罰・反復重視の指導を受けます。正解すれば褒められ、不正解なら罰を受け反復させられる、です。



 受験勉強の場面では、とにかく大量の問題を解く、という指導になって現れます。もちろん、問題演習を重ねた結果、一応の意味理解にたどりつけば、それで問題はありません。



 しかし、正解が欲しいあまりに、途中経過が間違っていてもかまわない、あるいは、ひたすらに暗記してしまえばいい、と考えてしまうのは本末転倒です。



 もちろん、こんなことを本気で考えている人なんていないんですが、結果としてこうなっている人が多いんです。偏差値や点数で一喜一憂する、です。



 問題演習・意味理解の段階では、あせって正解を出させることよりも、「わからないことはわからない」と言わせることのほうがはるかに効率が上がります。わからないことを解決するからこそ、その次の段階である「反復・定着」に意味がでてくるわけです。



しかもそのこどもにとって、抽象度や難易度が高い問題であれば、理解にものすごい時間がかかることを覚悟しなくてはなりません。算数1題で1時間かかることもあるでしょう。



 そんな時間はもったいない、と思われる人もいるかと思いますが、粘り強く考えさせる時間を惜しむから、結果として当初望んだような成績に手が届かないんです。次に脳科学者による「事象の連合」の話しがあります。



 『サルに「届かない位置にあるエサを棒を使って取る」という行動を覚えさせるときは、すべてを一度に教えることはしない。まず「棒を使えばエサが取れる」ことを教え、それができるようになったら「短い棒より長い棒の方が届きやすい」ことを教える。



 そして、「棒を使えばエサが取れる」と理解するまでにどうしても数週間は要するが、それが習得できさえすればその日のうちに、短い棒で長い棒をたぐり寄せて、長い棒を使って遠くのエサを取る、という組み合わせワザも覚えてしまう。』



 このようにして、2つのことを覚えると、後は2,4,8,16,32…と等比級数的に成果が現れる(AとBを理解すると、Aから見たB、Bから見たAも理解するようになる)、これが「事象の連合」と呼ばれるものです。



 中学受験で成功するこどものタイプとしては従来から、粘り強いこども、しつこいこども、絶対にあきらめないこども、が挙げられていますが、これは当然のことです。



 粘り強いこどもに育てるという意味からいえば、正解を出したら褒め、不正解なら叱咤激励する、という指導はむしろ、逆効果です。教える側が結果にこだわればこだわるほど、教わる側の混乱を助長するからです。



 こどもに問題演習をさせるときは、質問の余地を確保すること、ときにはもう一度解かせたり説明させたりして、こどもの考え方を確認することにより、意味理解を促進し、その点でこどもが満足することが大切なのです。


  
 □その塾の宿題は、全教科合わせてこなし切れる分量ですか。


 □その塾の教材の解答・解説は、親が読んでみてだいたい意味がわかりますか。




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 みなさん、お疲れ様です。今回も引き続き、塾選びの基準について考えたいと思います。これまで通り、「こどもの目線」にこだわっています。



チェック5.必要な情報を認知する



 「必要な情報を認知する」というのは教わる側からみた表現ですが、これに対して、教える側からみれば「テーマについて説明をする」です。



 受験教材は3つのパーツから成っています。テーマの説明、練習問題、問題解説、です。チェック5では、これらのうち「テーマの説明」について考えます。



 さて、テキストやノートを開いて、さあ勉強!、となるわけですが、ここに落とし穴があります。テキストやノートを開いているからといって、そのときのテーマや課題にこどもが向き合っている、とは必ずしも言えません。



    例えば、テレビを見たり、新聞を読むとき、私たちは、そのときの自分の興味や欲求や感情によって、自然と情報を選別します。



  同じように、授業を受けるとき、こどもたちはそのときどきの興味や欲求や感情に従って、自分の好きなところに意識が向くんです。それも否応なしに、です。



 これを放置しておくと、そのこどもは授業に参加していないのと同じことになります。家庭学習でも、テキストやノートこそ開いてはいるものの、やるべきことをやっていない、なんていうときは前進しているとはいえないのです。



 こんなときにこどもを叱るのは、好ましくありません。自分の好きなところに意識が向くのは、だれだって同じだからです。



 ここで大切なことは、「必要な情報を認知すること」、つまり「そのときのテーマや課題を知ること」です。教える側と教わる側がこの点でガッチリ噛み合っていないと、何が何だかわからないうちに終わってしまい、深い感慨を得ることができません。



 とはいえ、「テーマや課題」と言っても、それは「今日は○○をやるよ」って宣言すればすむ話ですから、そんなに重要でない気もします。実際、そのように感じた読者も多いでしょう。



 しかし、相手は小学生であることを見逃してはなりません。相手は小学生ですから、問題提起はできるだけ具体的でなければならないのです。



   たとえば図形の面積を学ぶ際に、「今日は平行四辺形の面積を勉強するよ」という提起のしかただと、テーマが抽象的に過ぎて、スタートがぼやけてしまいます。



 これに対して、「長方形と平行四辺形の面積の求め方の違いを勉強するよ」というふうに、こどもが既知の知識を使って新しい事柄を考える手がかりを示すような提起をすると、こどもはテーマになじみやすくなるのです。



 このことは、次のようにまとめることができます。



【学習効率向上の視点】
学習者に知識・経験がある学習者に知識・経験がない
学習対象は有意味・文脈がある(A)再現・説明できる(C)理解に時間がかかる
学習対象は無意味・文脈がない(B)想起・連想できる(D)関心がない・不安




   文章問題や読解問題のように、意味や文脈があるときは、理解に時間がかかりますが、部分的であれ一度解いたことがあったり、あるいは経験したことがあれば親しみを感じますから、テーマを受け入れやすくなります(CからAへ)。



 また、地名や植物名のように、意味や文脈に乏しいときは、関心が持てなかったり不安を覚えたりしますが、それに関連する知識や経験があれば、テーマになじみやすくなります(DからBへ)。



 このように、学習者が小学生の場合は、必要な情報(課題やテーマ)になじませること、これが受験勉強の効率を飛躍的に向上させるポイントになります。



 どんなに良い説明・解説であっても、それが教わる側の気持ちに届くものでなければ、価値がありません。優れた授業ほど、それが受講生のためになるのか、受講生にとって厳しい批判の対象になることを忘れてはなりません。



 □その塾の授業を見学したとき、授業の最初にテーマを明らかにしていますか(いきなり問題演習を始めていませんか)。



 □その塾の授業を見学したとき、こどもの知識や経験に訴える内容になっていますか。



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 さて今回も引き続いて、塾選びの基準について考えたいと思います。


 
<塾選びの基準>


チェック4.教材に目を向ける


 「教材に目を向ける」というのは、「はい、例えて言えば、「算数の教科書を開きなさい」です。これに対して、次項で扱う「必要な情報を認知する」というのは、「今日は○○ページの最大公約数をやるよ」です。



 これらのことはあまりにも当然すぎて、塾選びの基準として見過ごされがちです。しかし、こどもが学習をする場として塾選びを考えるならば、重要なポイントになります。



 まず、集団であっても個別であっても、すべての生徒がテキストやノートを開かない限り、授業は始りません。仮にテキストやノートを開かない生徒がいるのに授業が始まれば、その生徒は取り残されることになります。



 これは家庭学習でも同じです。テレビから離れ、あるいはゲームをしまって、テキストやノートを開かない限りは、学習は始まりません。



 学習者として理想的な形は、授業開始の5分前には、テキストやノートを開いて待っている、このような姿です。家庭学習でいえば、安心して勉強できる場所が整っていることが必要です。



 それなのに、塾に行けば遅刻者がぞろぞろいたり、私語が絶えなくて授業がなかなか始まらない、というのでは勉強どころの話ではありません。ひどいときには、自分の席に着いたとたんに机に突っ伏したままの生徒もいます。



 一方家庭では、弟や妹に「遊んで」ってせがまれたり、親同士の喧嘩がひどかったり、叱られてばっかりすると、もうテキストやノートを開いて「さあ、やるぞ」という気分にはなれません。



 これらのことを最小限に食い止めて、こどもが安心して「教材に目を向ける」、このような環境を作っていくことが大切です。



 □その塾の授業の始まりを見学したときに、生徒たちは授業を受ける準備をして待っていますか(家庭では落ち着いて勉強できる場所がありますか)。


 □その授業の先生は、特定の生徒とだけコミュニケーションをとっていませんか。


(注意)

 塾に体験授業や授業見学を申し込むときは、できるだけ入塾後に指導を受けるクラスや先生のものをお願いするようにしてください。同じ塾であっても、いろいろなクラスや先生がいますが、雰囲気や相性も重要なチェックポイントだからです。



 このあと、チェックはさらに続いていきます。




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 みなさん、お疲れ様です。今回は前々回、前回に引き続き、塾選びの基準について考えていきたいと思います。



 
<塾選びの基準>


チェック3.自分の課題を明確化する


 さてここからは、こどもが勉強している様子を具体的に頭に思い浮かべながら、考えていきましょう。



 話が少し長くなりますので、話の流れを前もってみておくことにします。こどもの勉強の流れは、およそ次のようになります。


 ①自分の課題を明確化する(弱点や優先順位を意識する

 ②教材に目を向ける(教材や教師に注意を向ける)

 ③必要な情報を認知する(これから学ぶことに注意を向ける)

 ④必要な情報を獲得する(問題演習や意味理解を通じて問題を解決する)

 ⑤必要な情報を保持する(反復練習や記憶術などによって忘却を防ぐ)

 ⑥応用(転移)する(先行学習が後行学習を促進する)



 少し難しい用語もありますが、丁寧にみていきますので、安心してください。①から順にみていくことにしましょう。



 さてまずチェック3では、「自分の課題を明確化する」という点について考えます。ここで「自分の課題」というのは、何を勉強すればいいか、あるいは何から手をつけていいか、ということです。,br>
 この点について塾は、言います。「言われたことをきちんとやってください。できないところがあっても、同じ単元が繰り返し出てきますから、その都度、しっかり勉強してください。」と。



 このように、塾の言う通りにしておけば、家庭が「何を勉強すればいいか」とか「何から手をつけていいか」を考えなくてすみますから、とても聞こえがいいんですね。



 しかしよく考えてみると、「今はできなくても、その都度しっかり勉強すれば大丈夫」というのは、後になれば理解できる、つまり「成績アップの先延ばし」なんです。



 ところが実際には、「成績アップの先延ばし」にさえならないことも多いんですね。2度目、3度目にでてくるときは、応用問題となって出現してきますから、基本事項を理解していない生徒にはますます理解不能になるのです。



 だからといって、日々学習する内容を全部完璧に理解して先に進まなくてはいけない、と言っているわけではありません。勉強はやればやるほど、知らないことが増えるものだからです。



 大事なことは、こどもが「あと少し粘れば解ける」「ちょっと立ち止まって考えたい」というときに、それをあたたかく見守り、そして支援することです。



 自分をさんざんに痛めつけて勉強に没頭し、やっとこさ成果を実感したときほど、学習意欲の原泉になるものはありません。これを私は「真実の瞬間」と呼んでいます。



 真実の瞬間を幾度か経験すると、その経験をもとにして自分の課題、すなわち「何を勉強すればいいか」「何から手をつけていいか」が、自分なりに少しずつ分かっていくようになるんです。



 確かに受験では、ふと頭をよぎった疑問もただちにこれを掻き消さないと取り残される、という側面もあります。しかしそれは、ずっと勉強が進んだ後の後の段階の話です。



 初歩的な段階では、「あと少し粘れば解ける」「ちょっと立ち止まって考えたい」という極めて自然な意欲を大事にしていただきたいのです。



 □その塾では、質問に応じてくれるような環境が整っていますか。



 □先生が直接質問に答えてくれないときは、他の解決方法を指導してくれますか。




 このあと、チェックはさらに続いていきます。




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 みなさん、お疲れ様です。今回は前回に引き続き、塾選びの基準について考えていきたいと思います。



 さて前回は、「自分のこどもにとって足りないものや必要なもの」に目を向けましょう、と言いました。この点が、まさに塾選びの出発点になります。



 塾選びの基準としては従来、合格実績やカリキュラム、集団か個別か、などが重視されてきました。



 しかし、いくら良い塾、良い教師、よい教材を与えても、自分のこどもの至らなさばかりが目立ったり、いくら頑張っても成果が上がらなければ、かえって無能ぶりを露呈したかのような錯覚に陥ってしまいます。



 ですから、自分のこどもに必要なものをリスト化して、それをもとに塾を選ぶようにしなくてはなりません。



 結果として同じ塾を選ぶことになったとしても、評判や性能だけで塾を選ぶのと、自分のこどもに必要なものを考慮して塾を選ぶのとでは、塾に入れた後に大きな違いが生じてきます。



 では、さっそく塾選びの基準についてみていきましょう。



<塾選びの基準>


チェック1.こどもの限界を予測する


 「こどもの限界」というのは、授業にガマンしてついていけるか、集中力がもつか、ということです。



 例えば通常、小学校4年生の場合、1コマの授業時間が45分(1日5コマ)です。ですから、だいたい1コマあたり45分、1日あたり約4時間が小学生の集中力の限界なんです。低学年であれば、1コマあたり30分程度が限界でしょう。



 するとまず、塾の授業に適度に休憩時間があるか、をチェックする必要があります。そして、個人差もありますが、塾の授業と家庭学習を含めて1日あたりの勉強時間(学校の授業を除く)が4時間以内に収まるようにしたいところです。



 集中しているときは長時間にわたって勉強するけれども、気分が乗らないときはさっぱり勉強しない、というのでは受験生として望ましくありません。



 受験生といえるためには、日々コンスタントに勉強に向かうという環境づくり、が重要です。



□その塾の1コマの授業時間はだいたい45分以内で収まっているか、適度な休憩が設けられていますか。


□その塾の授業時間と、宿題をする時間を合わせてだいたい4時間以内に収まりますか。



チェック2.適切な解決法を予測する


 「適切な解決方法」というのは、「こどものかゆいところに手が届くような支援」、あるいは「こどもの努力が報われるような支援」、のことです。



 受験勉強は、自分のペースを作り上げるまでが一番苦しいものです。その苦しいときをいかに乗り切るか、が勝敗を決すると言っていいでしょう。



 例えば、親は「うちの子は家でまったく勉強しないので、もっと宿題を出して欲しい」と思うことがあります。つまり、こどもの中途半端な勉強の仕方が目について、つい頭にくるわけです。



だからといって宿題を追加したとしても、その場はどうであれ、こどもの勉強に対する姿勢ががらっと変わることはほとんどない、と言っていいでしょう。



 つまりこの例では、こどもをさらに奮起させるのに、もっと宿題を増やすという手段が「適切な解決方法」ではないのです。



 むしろ、理解できないところがあるんじゃないか、あるいは、やっても無駄だと思っているんじゃないか、というふうに、こどもの視線に立って支援することが必要なのです。



成功者や大人の視点で「これしかない」と決めてかかることほど、中学受験を遠回りさせるものはありません。こどもが停滞したときに、そのこどもの立場に立って初めて、適切な解決策が生み出されるのです。


   
□入塾相談にこどもを連れていったとき、先生は自分のこどもの特徴をつかんでくれましたか。


□その塾では、授業担当者と親が直接面談をすることができますか。



 このあと、チェックはさらに続いていきます。




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 みなさん、お疲れ様です。昨日は歯医者さんにいきました。いつも、歯医者さんってなぜちょっとずつしか治療してくれないのかなぁ、と思ってしまいます。



 ところで先日、NHKの「ためしてガッテン」という番組で、「常識逆転!自宅で虫歯を直す法」、という内容のものをやっていて、ビックリしました。



 それは、「だ液」は毎日、隠れ虫歯にカルシウムを与えて歯を治している、というものでした。



 だ液は冬場にも威力を発揮します。だ液が十分に出ているときは、殺菌作用があるそうなんです。ですから、ガムを噛むことは、虫歯にも、風邪予防にもいいんですね。



 さて今回からは、数回にわたって「塾選びの新基準」について考えてみたいと思います。秋口からは、真剣な塾選びが始まるからです。



 中学受験を控えた家庭にとって、「塾が必要かどうか」は少なくとも1度は考える問題だと思います。人に塾を勧められれば、つい気持ちも傾いていきます。



 ただ「塾が必要か」という問題は、2つの異なる次元の問題を含んでいることに注意をしなくてはなりません。


  
 つまり、「塾が必要か」という問題には、①わが子が受験勉強をするにあたって何が必要か、そして、②塾はその点を補ってくれるか、という事前判断と、③このままこの塾に通わせていて大丈夫か、という事後判断が含まれているのです。



ところが実際はというと、「塾は必要か」が議論されるとき、「塾に入れれば安心か」という問題になっている場合が多いものです。



「塾に入れれば、受験に必要なことはすべて塾が教えてくれる」という期待です。



 たしかに、こどもが親の口出しを嫌がったり、親の一方的な価値観の押し付けに本気で反発したり、学習内容が難しくなったりすると、やっぱり塾しかないかな、って思うものです。



 しかも、中学受験にくわしくない家庭にとって、塾が提供してくれる受験情報はありがたい、と思うものです。



 しかし、塾に入れてこどもが親の手を離れたとしても、塾からどんなに詳細な情報をもらっても、「これで合格できる」という「安心」は手に入れることはできません。本当に安心できるのは、現実に学力が伸びているときだけです。



 塾の先生と占い師は、どんなに熱心な人であっても、合格を保証してはくれない。このくらい慎重に考えてもいいと思うんです。



 ですから、「これは良い塾だ」と思ってその塾にこどもを放り込んでそれでおしまい、という考え方ほど危険なものはありません。



 そうではなく、こどもの学習環境を整理して、足りないものや必要なものがあったときに初めて、その部分を塾で補ってもらう、これが塾選びの本質になるのです。



 次回は、各家庭によって異なる「足りないものや必要なもの」について掘り下げていきたいと思います。




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