こんにちは。今は大学受験が進行中です。アルバイトの方の中で山形県出身の人が2人いて、2人とも弟がいて、その2人とも大学受験のために上京しています。そしたら、さすがお姉さんたち、弟が受験の朝には早起きしてお弁当を持たせるんだそうです。立派に母親代わりをしているんですね。家族内のチームワークがうまくいっているのを見ていると感心してしまいます。



  さて、今日の受験塾は、小学生の算数の考え方(宝探しから物語へ)(第四章8)です。少し長いので、休み休み読んでください。



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第四章 葛藤を克服する〜「やればできる(小さな成功体験)」から「もう大丈夫(自信)」へ


8.物事を一から自分で組み立てさせる秘技(6)……小学生の算数の考え方(宝探しから物語へ)


  課題の分量が多くてあたふたするこどもには、「算数が苦手なこども」が多いです。しかし、実は教える側にも原因があります。たくさんの問題の「与えっ放し」です。「多量の問題をやり込めばいつかしらできるようになる」、という思い込みです。


  確かに、やる気のあるこどもががむしゃらに勉強に取り組むようになって急成長することはあります。でも、それは非常に稀な現象です。中学受験生の通塾用のカバンの重さは中身が4〜5キログラムにも達するといわれています。そんな分量の問題を与えられてこなし切れると思う方がおかしい。


  だから、勉強を教える側は、どうしたら効率よく吸収できるかを考えなくてはいけません。この点について、類題を見ながら検討してみましょう。


 
(1)視覚効果を利用して「分かり易く」「刺激を与える」

  まず、苦手意識が強い子が多い整数の問題からみてみましょう。次の例題をみてください。

【例題1】 縦の長さが2cm、横の長さが5cmの長方形を向きをそろえて並べ、1辺の長さが90cmの正方形をつくります。この正方形の対角線は何個の長方形と交わりますか。[答]54個



  この問題は、2cmと5cmの最小公倍数である10cmを1辺とする正方形を最小単位として計算していくことになります。

図1に対角線を書き込むと下のようになりますから、最小単位の正方形では6個の長方形と交わる、従って図2の1辺90cmの正方形では 6×9=54(個)となるんですね。


  ところが、図1が複雑になったら(例えば縦が10列で横が11列になると実際に図を書いて対角線を引いてもその対角線と交わる長方形の数が数えられません)、それはもう計算で解くしかありません。ここで、生徒に「この問題は実は植木算なんだ」と気付かせてあげたいんです。


  つまり、図1を45度傾けると、図3のように植木算とまったく同じになるんです。植木算とは、「100mの道路に10mおきに木を植えるには木は何本必要ですか」なんてやつですね。

  従って図1の求め方を一般化すると、縦がm列、横がn列であれば、対角線と交わる長方形の個数は(m−n−1)個、本問では(2+5−1=)6個、となります。小学生にはこのようにビジュアルで補完しながら指導する必要があるのです。


  小学生は論理的思考力が未発達ですから、ビジュアルな方法で補完する必要がある、これが重要です。分かりやすいだけでなく、こどもに刺激を与えているという点を見逃してはなりません。


(2)宝探しで体力をつける−原理原則で串刺しにせよ


【例題2】 1から100までの整数のうち、2または3のどちらか一方でしか割れない数はいくつありますか。 [答]51



  このような整数の問題は早ければ小4くらいから扱いますが、小5や小6になってもこれらの問題を解けないこどもがわんさかいます。そして、解けないとなると、こどもたちは「式」を書くように言われます。「式を書かないから理解できないんだ」です。


  もちろん、単に解法を忘れているときもあるでしょう。しかし、単に忘れているだけなら、少しヒントを与えれば思い出すはずです。しかし、多くのこどもは前出も問題について少しヒントを出したくらいでは思い出すことができません。

つまり、最初に習ったときに、頭に残るような理解の仕方をせず、単に式を「写経」しただけだからなのです。ただ単に数字を追いかけていただけで、数字の意味を考えて式を書いていたのではないのです。「書く」という作業は大切なのですが、算数は「写経」では通じません。「理解したことを書く」でなければ意味がないのです。


  それでは、どのように考えさせればいいか、です。【問1】はベン図で教える人が多いです。確かにベン図で解ける問題はあります。ですが、こどもたちに割り算をやらせても、割り算の答えが何を意味するか戸惑うことが多いものです。割り算をやらせたあとで、「次どうするの?」なんて聞かれたら、全然理解してないのと同じです。


  式だけで理解させようとすると、いつのまにか突然「パッ」と答えが出てきたように思えてしまい、感動も何もありません。「式を書く」は強制できても、「理解して腹に落とす」は強制できないのです。


  小学生の算数は基本的に「宝探し」です。「宝探し」というのは「どこに宝があるかを探す」です。いきなり「宝(解答)」に飛びつかせるのではなく、具体的に「宝の埋まっている場所」を提示してあげなければならないのです。どこを掘ればいいかを提示するのです。その「宝のありか」が「数表」です。


  【例題2】を例にすると、最小公倍数である6ををヒトカタマリとした数表で考える。

  
  そうすると、「2または3のどちらか一方でしか割れない数」は、2列目、3列目4列目の数だと分かる。小学生は、こうした「目に見える全体像」が分かって初めて「式」が立つものなのです。


  このような宝探しは、「原理原則で数多くある問題群を串刺しにする」という実践的な意味があり、さらに、「宝探しをしながら算数的な体力を作る」という大切なステップです。


  「原理原則で串刺しにする」というのは、例えば、類題2と同じような問題群をどのように攻めるか、という問題です。「個々の解法の覚え方」ではなく、「問題群を前にどのように頭を使うか」という問題です。例えば、類題2と同じような問題群は、次のようなものです。


【類題3】 6で割っても8で割っても3あまる3けたの整数のうち、もっとも小さい数を求めなさい。 [答]123


【類題4】 100から200までの整数のうち、12で割ると9あまり、9で割ると6余る数をすべて求めよ。[答]105、141、177


【類題5】 7を足すと11で割り切れて、11を足すと7で割り切れるような整数があります。

(1)このような整数で、もっとも小さい数を求めなさい。[答]59

(2)このような整数で、もっとも1000に近い数を求めなさい。[答]983


【類題6】 81を割ると9余り、100を割ると4余る整数をすべて求めよ。[答]12、24


【類題7】 2つの整数A,Bの最小公倍数が2310で、A:B=3:11のとき、AとBの和を求めよ。[答]980


【類題8】 51を割っても63を割っても余りが同じになる整数をすべて求めよ(ただし、割り切れる場合を除く)。[答]2,4,6,12


【類題9】 89、206、359を1以外のある整数で割ると余りは同じになる。ある整数を求めよ。[答]3、9



  これらの問題を教えるとき、たくさんの解き方が噴出します。ところが、いろいろな「考え方」を丸暗記してもすべての人が本番で強くなるとは言えません。「あれもこれも知っている」のに「なぜか本番では解けない」です。人に「このように解けばよかったのに」って言われてはじめて「あっ、そうか」です。これじゃせっかくやった勉強も意味がない。


   
  大事なことは、「個々の問題の解法をできるだけ多く暗記させる」のではなく、「頭の使い方」を教えることです。先ほど挙げた問題でも、ちゃんと教えなければならないのは、「個々の解法を覚えろ」ではなく「約数の問題か倍数の問題かを区別したら、後は数表なりに書き出して調べろ」です。この作業はとてつもなく手間がかかりますが、この手間を省くから成績が伸びないんです。


  それと同時に、この作業をを面倒だと言うこどもは算数の力が伸びません。算数は限られた手段を使って頭のしなやかさを競う科目ですから、最初にたくさんの手段(解法)を与えてはいけません。特定の問題にだけ通用するような一見ラクな解法よりも、多くの問題に通用するタフな解法を身につけるのが王道です。

  先ほどの問題で言えば、「面倒でも書いて調べろ」です。仮にカンタンな別解があったとしても、その解法が別の問題に通じるとは限りません。どの問題にも通じる考え方は「面倒でも書いて調べろ」です。あくまでここが出発点です。


  ゆとり教育の影響で、円周率を「3.14」ではなく「3」とする試みがなされたことがあります。これでは面倒なことを回避することを奨励することにほかなりません。小さいときからラクばかりするから、後でこども自身が苦しむことになるんです。中学受験では「腹をくくったこども」だけが勝ち残ります。


  ですから、上の約数・倍数の問題でいうと、まずは「約数の問題か、倍数の問題かを見極めてから書き出して調べろ」って教えて欲しいです。たくさんある問題を「原理・原則で串刺しにする」です。大学受験の数学だって、「この解法ならあれもこれも解ける」って思えたときに、アドレナリンがあふれ出しますよね。中学受験の算数でも同じ思いをさせてあげたいのです。



  算数的な体力に関連して、【類題7】の補足をしておきます。【類題7】には次のようなとき方があります。

  3と11は「互いに素」ですから、△と□は3か11になるはずです。従って、□(最大公約数)は、2310÷(3×11)で70になる。


  しかし、この問題が解けたかどうかはあまり重要ではありません。重要なのは、「3や11を見たときに素数だと気付いていること」「50くらいまでの素数はスラスラ言えること」です。そもそも、50までの素数がスラスラ出てこないこどもが数字を上手に操れるとは思えません。それなのに、「□×3×11=2310」という式を書かせて「これでよし」なんて思うことがおかしい。


  素数以外にも、線分図や平面図形や空間図形などはうまく操ることができるようになるために「図を書く練習」が必要です。中学受験では「ビジュアル」に訴えることがとても効果があります。「式や図を書け」って何回言っても書かない、書こうとしない場合、それは「やる気がない」より「解く手段・体力がない」ことのほうを疑ってみるべきです。多くの場合は、小4の内容まで遡る必要があることに気付くでしょう。こうした下準備がないために、後々苦労するこどもが多いのです。



(3)「宝探し」から「物語」へ

  宝探しによって原理原則で串刺しにして、算数的な体力をつけたら、次は本番で実力を発揮してもらわねばなりません。模試のたびに偏差値が乱高下するのはとてつもなく不安なものです。


  試験で実力を発揮してもらうために必要なことは、こどもに「物語」を与えることです。分かりにくいと思いますので、次の例題10を見てください。



【例題10】 4人ですると3時間で終わる仕事を5人で1時間したあと、残りを2人でするとあと何時間何分で終わりますか。 [答]3時間30分



  さて、これは仕事算です。通常の解説には、(4×3−5×1)÷2=3.5 と記述されるのが普通です。でも、この式だけで応用力をつけるのはとても難しいことです。この問題の背景として、次のような「物語」があります。


[A]全体の仕事量を決める(それを1とおくか最小公倍数でおくかは大きな問題ではありません)。

   ↓

[B]各人が単位量あたりでこなせる仕事量はいくらか、を求める。 

   ↓

[C]あとは題意に従って(問題文を見直しながら)答えを導く。 



  これを【例題10】にあてはめると、[A]全体の仕事量は、4×3=、[B]1人で1時間できる仕事量は、÷4÷3=,任后あとは問題文をよく読んで[C]の作業をするだけです。


  [C]の作業は次の通りです。1人で1時間頑張れば,了纏ができますから、5人で1時間仕事をすれば、 5=イ任ます。だから、残りの仕事は−ァ甅Г任后そして、2人で頑張れば、1時間で、 2=△世韻了纏をできます。残りの仕事をを2人ですれば、А爿◆3.5時間かかることになります。

  この作業が、冒頭に挙げた「(4×3−5×1)÷2=3.5」という式に凝縮されているのです。しかしこれでは、こどもから見れば、[C]の作業しか書いていないんです。


   
 このように、勉強で重きが置かれるのは[C]の場面であることが通常です。しかし、指導の核心は、本当は[A][B]にあるのです。[A][B]が分かれば同種のすべての問題に応用が利きます。[A][B]の過程を意識して初めて、[A]→[B]→[C]という「物語」が完成し、本番で強くなるのです。


  「桃太郎」のような昔話を聞いたとしても、その一部分を聞いただけでは面白くも何ともありませんよね。算数でも、[A]→[B]→[C]という全体の「物語」が分からないと面白くないんです。大事なのは、[A][B]の過程、つまり「つかみ」です。


  本当に大切なのは[A]→[B]→[C]という「物語」であることは分かっていても、つい[C]だけに目が行ってしまうのには理由があります。受験は「競争」です。もし、ためらいや疑問が頭をかすめても、ただちにそれを振り払わねば競争に勝てません。だから、勉強を教える側もつい[C]ばかりを強調しすぎる。あるいは、[A][B]も言っているけれども、こどもは[C]ばかりに目がいってしまう。「ちゃんと教えているのに、なぜ試験では報われないのか」です。


  これは「早すぎた自滅」です。こどもの成長は、大人が考えているほど早くはないんです。普段の勉強で大切なのは、「競争に支配されない」ということです。家でも塾でも追いまくられるだけのこどもは成績が伸びません。追いまくられること自体は悪くないのですが、追いまくられた後に自分に戻ることこそが感慨深いものになるのです。「競争」の合間に必ず「自考」の時間を確保する必要があります。



  いろいろ言いましたが、〇覲亳果を利用して、「分かりやすい」だけでなく「刺激を与えること」、∧探しを通じて、算数的な体力をつけるとともに、問題群を原理原則で串刺しにすること、それができたら、物語の形で考え方を身につけること、この3つのすべてに欠けていると算数の成績は立ち行きならなくなります。算数の成績がいいこどもは、数の論理と空間図形が得意ですので、まずは´△魄媼韻靴討澆討ださい。




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