こんにちは。先日、武蔵中に合格した子供のお父さんからお電話を頂きました。実は昨年の10月ごろ、そのお父さんから「駒場東邦中の対策はどうすればよいか」というご相談を受けたのです。駒場東邦中の対策はあれこれありますが、まずはお子さんの状況を把握する必要があります。そこで、4科目のバランスや苦手分野をお聞きしたら、どうも駒場東邦中は難しそうだったんです。


  そこで、正直に「駒場東邦中は難しそうです。2科で勝負できる武蔵中に変えたほうがいいです」と申し上げました。全く受からないより受かったほうがいいですから。お父様も過去問分析をされた結果、武蔵中に変更する踏ん切りがついたそうです。残念だったのは、駒場東邦中を受験した塾の友人の方々が玉砕したことだそうです。受験校はギリギリまで柔軟に考えたほうがいい、つくづくそう思いました。



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  さて、今日の受験塾は、疑問から正解を導かせる(第四章10)です。



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第四章 葛藤を克服する〜「やればできる(小さな成功体験)」から「もう大丈夫(自信)」へ


10.物事を一から自分で組み立てさせる秘技(8)……疑問から正解を導かせる


  「集中力をつけるにはどうすればいいの?」とか、「ケアレスミスが多すぎて困るの」という問題を抱えているご家庭がとても多いです。

  受験で合格するこどもは、試験問題を覚えてくるほど集中して取り組んできます。これに対して、受験で不合格になるこどもは試験で何が聞かれたかさえ正確に再現することができません。試験中ずっとあたふたしていて集中どころではなかったんです。


  しかし、「集中しろ」とか「ケアレスミスに気をつけろ」って言っても、なかなか抜本的な解決にはなりませんね。つける薬がないようにも思えます。ところが、普段の勉強に対する姿勢の中に答えが隠されています。



  同じ授業を受けていても、こどもによって頭の使い方が異なっています。「疑問を突き詰めているこども」と「新しいことばかりに反応しているこども」です。「疑問を突き詰めるこども」は、「なぜ」と思ったことを解決しようとして授業に臨んでいます。だから、疑問が解決したときはとてもうれしい。次も頑張ろうとモチベーションが上がる。


  これに対して、「新しく習うことばかりに反応するこども」は、「これを覚えなきゃ」ばかりに気が行ってしまい、自分の疑問を解決するのは後回しになっている。いつも義務感に追い立てられていて余裕がない。だからいつまでたってもあたふたしている。


 



  疑問を突き詰めないこどもは、【図1】のように「一気に済まそう」という安易な考え方のこどもです。授業を受けていても、絶対唯一の正解を即座に出さないと意味がないという考えです。


  確かに受験は競争ですから、疑問が浮かんでも直ちにそれをかき消さないとまわりの人に置いて行かれてしまいます。だから、疑問を解決することは後回しで、新しいことばかり覚えようとします。「疑問を持つより解答を覚える」です。


しかしこれではいずれ分量の壁に突き当たります。本番のテストでも、問題をろくに読まずに知っている知識を吐き出そうとする。「受け売り、キメ打ち、できたつもり」になることが多く、「感動」も「自問自答」も少ない。だからすぐに挫折する。集中力も減退する。

  宿題をまとめてやったほうが効率がいい場合もありますが、逆に言えば、まとめてやって済むような勉強は勉強ではありません。一気に済ますことができたと思っても、いずれ一気に滑り落ちてあたふたします。



  これに対して、疑問を突き詰めるこどもは、【図2】のように勉強に時間がかかってしまうというデメリットがあります。しかし、「疑問が解けた」「やっと理解できた」という自信や感動があるために、前進することはあっても、すべり落ちることはありません。疑問を突き詰めた受験生だけが正解を手にすることができるのです。

  正解は「紙に書かれた解答」ではなく、「自分の頭で考えた思考そのもの」です。さらに、「疑問を突き詰める」という作業は、試験本番で「見たことのない問題でも疑問から考える」「問題をよく読む」という訓練になっています。ですから、自ずと本番に強くなっていくのです。



  また、ふだんの勉強をよく見ていると、普通の子は問題を解くだけで四苦八苦ですが、要領の良い子は「問題を解きつつ覚える」です。要領の良い子は、答え合わせで一喜一憂するのではなく、その先に「覚える」という作業が必ずあることを知っている。疑問を解消できたからこそ、「覚えておこう」という気持ちになれるのです。



  しかしよく考えてみると、ふつうのこどもたちが「疑問を持つより解答を覚える」に陥ったのは果たしてその子たちの責任なのでしょうか?むしろ、大人が結論を急ぐあまりに「疑問を持つより解答を覚えろ」になってはいないでしょうか。「オマエはこんな問題も解けないのか」って追い込んではいないでしょうか。



  もしそうだとすれば、こどもが疑問を突き詰めることを放棄したのはこどものせいではありません。こどもは、分からないのではなく、混乱しているだけなんです。「分からない」ように見えるのは、能力がないのではなく、疑問を封殺したからです。こどもたちだって本当は「理解したい」「勉強を楽しみたい」です。こどもは抵抗勢力でなく、迷い子にすぎないのです。



  ですから、自分のペースがつかめずにあたふたするこどもたちを、普段の勉強から「自分の疑問から答えを導く」「思考力をつける」ように導いてあげていただきたいのです。「疑問から解く」といってもイメージがわかない方は、次の問題で確認してみてください。



【駒場東邦中学平成11年度第3問】 


  3地点A,B,Cを直線で結ぶ道があります。A地点からB地点までは平地であり、B地点からC地点までは上り坂、また、C地点からA地点までは下り坂になっています。

  太郎君は午前9時にA地点からB地点に向かい、また次郎君は午前9時10分にA地点からC地点へ向かい、それぞれ歩き始めました。2人は途中休んだり引返したりすることなく、各地点を通過し、その間午前9時37分30秒には出会い、1周して、午前10時に同時にA地点にもどりました。また、2人はともに、平地、上り坂、下り坂をそれぞれ時速4km、2km、6kmで歩きました。

  (1)BC間の距離と、CA間の距離では、どちらが長いですか。その答えのみを書きなさい。

  (2)2人が出会った地点は、AB間、BC間、CA間のうちのどれですか。答えのみ書きなさい。

  (3)AB間の距離を求めなさい。

  (4)太郎君の歩いた距離を求めなさい。



  この問題は受験生だけでなく、多くの講師をも悩ませます。しかし、「疑問」にこだわって(1)(2)のヒントを活用すると、スッと解けます。まず解法ありき、ではなく糸口は問題文から見つけようとする姿勢が大切です。


  まず、(1)は、太郎君も次郎君も同じ距離を歩いたにもかかわらず、なぜ10分の差が生じたのかを聞いています。太郎君が余計に時間がかかったのですから、太郎君のほうが上り坂が長かったんです。だから、(1)の答えは、BCのほうが長い。 


  次に、太郎君から見た場合(左から右へ)、。租澄塀佝点)から出会った地点までの時間は37.5分、⊇于颪辰臣賄世らA地点(終点)までの時間は27.5分。他方、次郎君からみた場合(右から左へ)、出会った地点からA地点(終点)までの時間は22.5分、ぃ繊塀佝点)から出会った地点までの時間は27.5分です。


  (2)の問題意識は、(1)と同様です。「太郎君,伴]嵯は歩いている距離が同じなのになぜ15分の差が生じるのか」ということです。これでこの問題の分析はオシマイです。


  平地では速さは同じだから時間の差は生じないが、坂道では速さが違うために時間の差が生じる。だから、AB間で出会うはずはない。よって(2)の答えはBC間となる。そしてBC間は距離一定、速さの比が1:3なので、時間の比が3:1となり、その差2にあたるのが15分。従って、次郎君は出会った地点からB点まで7.5分、従ってまたAB間を15分で歩いたことになるから、(3)の答えは1kmとなる((4)は省略)。



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