みなさん、お疲れ様です。今日は、都内のある小学校で行われる理科実験講座の補助講師をやってきます。



 講座の内容は、「真空実験装置で宇宙まで行こう」と「大気圧を実感しよう」です。真空実験では熱くもないのに水が沸騰するとか、空き缶が簡単にグシャッとつぶれるとか、興味深いものです。



 今回は塾選びの基準(8)で、記憶保持について考えますが、経験、特に感情に訴える経験は忘れにくいものです。



 今日の小学生がどのような反応を示すか、楽しみです。さて、本題に入っていきましょう!



 チェック8.必要な情報を保持する


 さてここからは「必要な情報の保持」、つまり「忘却を防ぐ」についてみていきましょう。



 中学受験の場合、同じ分量、同じ時間、同じ量力を投入しても、こどもの個人差によって、どうしても差が生じてしまいます。もし自分のこどもの成績が芳しくないと、こどもの能力を疑ってしまいがちです。



 しかし、こどもの能力を疑う前に、学習したことがきちんと定着・記憶するように学習をしているか、を問いなおしてみる必要があります。



 例えば将棋の棋士は、対局の始めから終わりまでの指し手のすべてを再現できるのはなぜか、を考えてみましょう。



 将棋の指し方には一定のパターンや定石があって、たいていの棋士はそれらを習得しています。そして実際の対局では、パターンや定石を変化させたり組み合わせたりしながら、必死に考えて一手一手を打ち続けてゆくわけです。



 つまり、無意識でも打てるパターンや定石が頭の中にあって、かつ、一手一手を考え抜いているから、対局の始めから終わりまでの指し手をすべて再現できるのです。



 この中で、パターン化することによって得られる記憶を方法記憶といって、もっとも忘れにくい記憶となって頭の中に残ります。自転車の乗り方や箸の上げ下ろしも同じです。



 また、必死に考えたり悩んだりすることによって得られる記憶を経験記憶といい、これに対して、無意味なことを単純反復して得られる記憶を知識記憶(丸暗記)といいます。


   
 経験記憶は知識記憶にくらべて、はるかに頭の中に残ります。ただ、知識記憶であっても、相互の間に意味連関をうちたてたり、概念的に関連のあるものをまとめたり、できあいの知識にくみこんだりすると(精緻化といいます)、経験記憶として頭の中に残ります。





 このように、記憶の方法には、経験記憶、知識記憶、方法記憶の3つがあるわけですが、それを学習素材によって上手に使い分ける必要があります。



 まず学習対象が無意味な素材の場合は、基本的に、単語帳や表を作ったり、テキストにマーカーを引いたりして、丸暗記することになります。このようにして得られた記憶が、知識記憶です。



 理科や社会、国語の語句・文法のように暗記事項が多いときは、このような学習が中心になるでしょう。



 ただ学習対象が無意味材料であっても、語呂合わせを利用したり、分類表を作ったりしていけば、より強固な記憶として頭の中に残ります。つまり、無意味素材であっても、それに意味づけをしたりイメージ化することによって、知識記憶ではなく、経験記憶として記憶できるわけです。



 次に、学習対象が有意味な素材の場合を、算数を例にとってみていきましょう。


  
 「算数の問題を解く」という作業には、大きく分けて、「式を立てる」と「式を解く」、この2つしかありません。そして「式を解く」というのは、工夫の余地はあるにせよ、基本的には機械的な作業です。



 つまり四則演算は、自転車の乗り方を身につけるのと同じように、無意識でできるようにならなければなりません(方法記憶)。



 「よく計算ミスをしてしまう」という事態に困っている方もいると思いますが、しかし計算ミスが起こるのは、たんに要領がよくないだけで、誰だってコンスタントに練習をすればミスは少なくなっていきます(もっとも、だれ一人としてミスをゼロにすることはできませんが・・・)。



 これに対して、「式を立てる」という作業は、問題文中に示された条件のうちのいくつかを組み合わせて、結論を導く作業です。そして、与えられた条件をそれぞれ1回ずつ使って結論を導くのが基本問題(一行問題)です。



 これに対して、すでに出した結論を再利用して別の結論を導いたり、一度使った条件を再利用して別の結論を導くのが応用問題です。



 基本問題はパターン化できますから、コツをつかめば要領よく記憶することができます(方法記憶)。しかし式を丸暗記してしまえば(知識記憶)、すぐに忘れてしまいます。ですから方法記憶として確実に記憶するためには、意味をしっかり理解した上で、解法のコツをつかむことが大切です。



 算数の一行問題のほか、理科の計算問題の多くは、このような学習方法が中心になります。電流やモーメントや天体や中和の計算は、解法のコツさえつかめばすむからです。



 ここで注意が必要なことは、毎日の学習で基本問題にかける時間をできるだけ短縮させていくことです。基本問題に膨大な時間を費やしただけで、やったつもりになっていては、本番で強いこどもにはなりません。



 時間をかけて勉強すべきなのは応用問題です。繰り返しになりますが、応用問題とは、すでに出した結論を再利用して別の結論を導いたり、一度使った条件を再利用して別の結論を導く問題です。



 算数の問題群をすべてパターン化することは不可能です。ですから、応用問題を使って、自分の頭を使って、考えたり、悩んだりする作業を避けて通ることはできないのです。むしろ、応用問題に時間をかけて取り組むことによって自分を痛めつけ、経験記憶を累々と蓄積していくことが、結局は合格に近道になります。



 先述の「将棋の棋士による過去の棋譜の再現」の例と同じように、算数の場合も、方法記憶(パターン認識=基本問題)と経験記憶(現場思考=応用問題)の両輪を鍛えて初めて強くなる、ということです。



 なお、記憶については次の点も重要です。①睡眠時間、②反復の期間と回数、③習慣化、です。



 睡眠時間については、最低でも7���8時間は必要です。脳は睡眠中に記憶を整理し、学習効果を促進するのですが、そのためには十分な睡眠時間が必要だからです。



 そして、1回学習しても1ヶ月以内に復習しないとほぼ忘れてしまいます(エビングハウスの忘却曲線)。それを防ぐために、習った翌日、その日から1週間後、さらにその日から2週間後、最後にその日から1ヶ月後、合計4回は復習することが必要です。



 また、「コンスタントに」という観点からすれば、学習素材との接触の機会を多く持つことが大切であることは言うまでもありません。その意味からは、毎日の無意識の行動に結びつけていく、という手段もあります。



 つまり、トイレに教材を置いておく、お風呂や洗面所に暗記シートを張っておく、目につくところに計画表を張っておく、というような具合です。



 □その塾では、家庭で学習したことをチェックしてくれますか。


 □その塾では、こどもに合った学習のしかたをアドバイスしてくれますか。




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