失敗を成功に変える〈中学受験版〉自己決定理論

今日は、中学受験版の「自己決定理論」を解説しますね。

「自己決定理論」って何?

「自己決定理論」とは、「モチベーションのない状態」から「自発的に取り組む」までの6つのフェーズを分類したものです。現在、どの段階にあるかが分かれば、効果的な対応が可能になります。

なるほど。結局は、本人をやる気にさせることが大事ということね。

はい、そう思います。中学受験版の「自己決定理論」の動画解説を作ってありますので、まずはそちらからご覧ください。25分と長いので、早送りで見てください。

〈中学受験版〉自己決定理論25分 YouTube
追加情報① 算数編
5年生のうちに絶対に早めにやっておくこと
私のところに寄せられる最も多いご相談は、5年生の1年間で算数の成績がずるずると下がって困った、というものです。

それは大変! 4年生までは成績が良かったし、塾の宿題もやっている。それなのに成績が下がっていったら、不安でしかないわ。

本当にそうですよね。特に、担任がついていない大手塾だと、誰に相談していいかも分かりません。

問題は、5年生の1年間で、なぜ、算数の成績がずるずると下がってしまうか、です。なぜだと思いますか?

えっ! きちんと塾に通って、宿題もやっているし。なぜと言われてもわからないわ。

そうですよね、すみませんでした。算数の成績がずるずると下がってしまう主な原因は、生徒の解き方や思考法にあります。
たとえば、線分図。線分図を使うようになるのは、小4のときです。線分図を使う目的は、問題を可視化(具体化)して理解しやすいようにするためです。
小4程度の簡単な問題であれば、線分図が分かりやすいですね。しかし、小5になって問題が複雑になってきて、これらを線分図で解こうとすると、線分図が複雑になってしまいます。
試しに、ネットで「中学受験 線分図」を検索してみてください。いろいろな問題を線分図で解説しているサイトがたくさん出てきます。
難しい問題を、芸術的な線分図で解法を披露されているのを散見しますが、これを試験本番で書けるかといったら、まず書けませんね。つまり、制限時間内で解ける解法ではない、ということです

本当だわ!

小4のときは、問題が簡単ですから、具体的な思考で算数を楽しんでいるのはいいのです。
しかし、小5になったら、問題が難しくなっていきますから、徐々に、具体的思考から抽象的思考にステップアップしなければならないんです。
このステップアップに失敗した生徒が、5年生の1年間で算数の成績がずるずると下がってしまうんです。

そこで、私の塾で5年生のうちにやっている「算数の成績が絶対に下がらないための対策法」を教えますね。
対策法は、「計算対策」と「文章題対策」の2本柱です。

5年生のうちに極める「□のある計算」
まず、「計算対策」ですが、下のプリントの31ページ以下を見てください。

□のある計算ね! 後の方はかなり難しいわ。

私の塾では、5年生の早い時期に、この「□のある計算」を完全にマスターしてもらいます。
「□のある計算」ができるようになると、複雑な手順を意識できるようになって、賢くなります。また、計算ミスを激減させる効果もあります。

なるほど。それは死角だったわ。塾のカリキュラムに頼っていればいいというわけではないのね。

ただ、これは、次の「マルイチ算」を習得するための布石なんです。
では、次の「マルイチ算」をみてみましょう。

5年生のうちに極める「マルイチ算」
下のプリントは、私の塾で必修課題としている「マルイチ算」の練習プリントです。ザっと見てください。

まるで方程式ね。難しそう・・・

そう、まさしく方程式です。関西では「イチマル」と呼び、関東では「マルイチ」と呼ぶようです。
いずれにしても、先に見た「□のある計算」の□の部分を①とおいて解くわけです。

小学生なのに、方程式のような解き方をしていいの?

そう思う先生もいて、大手塾だと上位クラスでしか教えないことが多いです。
実際、中下位のクラスでマルイチ算を教えようとすると、生徒に嫌がられますね。小4のときに習った線分図や面積図の方がやりやすいという体験から抜け出せないんです。つまり、小4のときの具体的思考のまま小5の難しい問題に突進しようとする。
もちろん、線分図や面積図は全く使わないのではありません。ですが、マルイチ算を使える生徒は、多くの解法を集約できるんです。
マルイチ算を習得すると、次のようなメリットがあります。小学5年生にとって、マルイチ算という抽象的な思考にステップアップできるかどうかは、とても重要なターニングポイントです。

そうだったのね! でも、塾で教えてもらえないときはどうすればいいの?

小5の7月までに習う割合や比で成績が伸び悩んだら危険信号ですから、夏休みに個別塾に、根本的な改善法を相談した方がいいと思います。

追加情報② 国語編
私のところに算数の相談をされる方の中には、意外と国語の成績も良くないというケースもあります。

国語ってどのように対策していいか、漠然としているわ。

そうなんです。塾の国語の授業をどのように消化していいかって、意識されていない方が多いです。
そこで、「読解力の不足」「語彙力の不足」「記述力の不足」という3つの課題に分けて説明しますね。

読解力を鍛える(文章を正しく理解する力)
読解力を鍛えるには、次の3つがポイントです。

音読は、どのようにやればいいの?

私の場合は、一文ずつ、生徒と私で交互に読んでいきます。その中で、注意点をチェックしていきます。
ご家庭でできればやっていただきたいですね。

語彙力を増やす(知らない言葉を減らす)
語彙力は非常に重要です。いくら文章を読んだとしても、意味も読み方も分からない言葉が多く出てきたら、文章の内容を理解しようがありません。
国語の成績がかんばしくないとき、ぜひ、お子さんと一緒に文章を音読してみてください。お子さんが「○○はどういう意味?」ときく回数が多かったり、読めない言葉が多くあった場合、語彙力が足かせとなって成績が伸びていないと言えるでしょう。

やだ、うちの子のことを言われているみたい。

語彙力を増やすには、次のことに注意してください。

子どもがテストを受けて合格したら、私のところにもメールがくるってやつね。

そうです。生徒は手が抜けませんから、必至になって暗記してくれます。

記述力をつける(答案を書く力)
国語の入試問題で、記述は必ず出ます。ところが、生徒の答案を見てみると、聞かれていることに答えていない、論理的に矛盾している、句読点のつけかたが上手でなく(一文が長くて)読みにくい、誤字脱字が多い、ということがあります。
入試問題は、小学校の作文と違います。問いに答えなければいけません。しかも、だれが読んでも、一読して趣旨がスッと分かる文を心がけなければいけません。
これらの問題は、だれかがチェックしてあげるほかありません。

確かにそうね。集団塾だと自分が書いた文章のどこがよくて、どこが悪いかを意識することができないよね。

そうなんです。記述力を上げるには、次の点に注意するといいです。

まとめ
今回は、「〈中学受験版〉自己決定理論」を取り上げて、ご家庭がどのようなバックアップをすることができるか、について考えてきました。

いろいろなポイントがあったけど、家庭にもできそうなことがあったわ。でも、できないこともあるから、それはプロに相談するしかないわ。

そうですね。ただ、家庭でできそうにないことも、やってみると意外にできることも多いです。ですので、ご家庭でやることに迷ったら、気軽にご相談ください。

分かったわ!
